法人で契約した生命保険の賢い使い方 ①

  数年前に保険業界には「バレンタインショック」と呼ばれる

大改革が金融庁から発せられ、それまで花盛りだった

通称「節税保険」と言われた生命保険は、一斉に姿を消しました。

とはいえ、税制こそ変われど「損金タイプ」といわれる生命保険は

生命保険が企業活動を続けるにあたり、絶対に必要なものであることは

否定しようがありません。

 ということで、企業で契約するような生命保険の中で

「解約すると、解約返戻金が戻ってくる」タイプの契約の様々な使い方を

ご紹介します。


 なお、文章内に「節税」という言葉が出てきますが

「生命保険では、節税はできません!」「利益を繰り延べしているだけです!」

これだけは、強く言っておきます。


では、クドイようですが、ここからスタートします。

企業が活用する「損金タイプ」の生命保険の真実

多くの企業では、「損金タイプ」と呼ばれる生命保険に、社長や役員が契約しています。これらの保険は、退職金の積み立てや利益の繰り延べ、簿外資産の形成を目的として契約されることが多いです。しかし、以前は「節税効果がある」と信じられていた一方で、実際には必ずしも「節税」はできていませんでした。あくまで利益の繰り延べに過ぎなかったのです。

「損金タイプ」の保険の一般的な利用方法とその問題点

このタイプの生命保険は、解約時に掛け金の4~8割程度が返戻されることが多く、さらに保険料の一部や全額が経費となるため、資金繰りが苦しい時や経費削減や決算対策のために解約されることがあります。しかし、解約以外にも様々な使い方があり、解約は「最後の手段」として考えるべきです。

解約以外の賢い保険の活用法 ①

生命保険は解約以外にも、会社の財務状況を見極めた上で、より適切な活用方法が存在します。例えば、保険料の支払いが経営を圧迫している場合、「保険料の支払い猶予期間」を利用することができます。保険料の支払い方法(年払い・半年払い・月払い)により、この猶予期間は変わります。また「保険始期応当日」なども関係してきますので、個別に、それぞれの保険会社や保険の募集人に、ご確認下さい。

ただし、多くの場合の保険料支払い猶予期間は、支払期日後「2か月間」で、これを活用することで、財務状況を改善する余地を持たせることができます。

まず、大前提として、会社で契約する生命保険は、「決算月」に契約しましょう。

そうすると、

利益が少なかった期や赤字の期においては、この猶予を利用して、保険料の支払いをとめることにより、黒字の額を膨らませたり、赤字決算を回避することができます。これにより決算書の見栄えも良くなります。

お手持ちの現金やキャッシュフローの面から見ても、良い効果が生まれます。中小企業の社長様の口から、よく出る言葉ですし、みなさんも感じることがあると思うのですが、「利益が出ているのに(黒字なのに)、現金が増えないな~」の原因の一つが、生命保険なのです

生命保険の保険料は、「損金処理」するだけではなく「資産計上」している部分があることをご存じですか?実は、この資産計上している部分は、手持ちの現金から、支払っていることを、多くの経営者は知りません。決算書でいうと「税引き後利益」です。(正確には、減価償却費や売掛・買掛の増減なども加味しますが、そんなことは、専門家に任せましょう)

実は、この数字は決算書には出てきません。そのため気づかないだけで、銀行からお金を借りて、保険会社に支払っているなんてことも、決して、めずらしいことではありません。


 では、次回も、「賢い使い方」ご紹介いたします。


                   どう見ても「賢くない」です






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